骨盤と腸腰筋の関係について、もう少し掘り下げてみましょう。
腸腰筋が緊張すると、なぜ、脚が短くなり、足先が外に開き、上前腸骨棘(※)が前に出るのか。
それは腸腰筋の作用に関係しています(ちなみに腸腰筋は腸骨筋と大腰筋・小腰筋の3つの筋肉を合わせたもの。この3つの筋肉の作用がほとんど同じなのでまとめてこう呼ばれているのです)。
大腰筋・小腰筋は腰椎から出て大腿骨の内側(小転子)へ、腸腰筋は腸骨の内側から出てやはり大腿骨の内側へついています。
主要な作用は「脚を上げる」「大腿骨を外へ開く」です。上半身と下半身をつなぐ主要な筋肉なので、姿勢の保持にも関係しています。
腸腰筋が縮んでいると大腿骨と腸骨が近づくので骨盤が前に傾き、それがひどいと腰が反ってお腹が前に突き出したようになります。
「骨盤がゆがんでいる」と指摘された生徒さんは腸腰筋が硬く縮み、筋力も弱くなっていました。
縮む→足先が外に開く、骨盤が上がって脚が短いように見える
縮む→骨盤が前に傾く→上前腸骨棘が前に出る
というようなことではないかなあと思います。
また、筋力チェックをしてみると縮んでいる方の腸腰筋は力が入りにくく、弱っているようでした。
筋力も柔軟性も低下しているというわけです(だいたいこの2つはセットになっています)。
対策は
1.自分で触れるならグイッと押して軽く揺らす(緊張をゆるめる)
2.片足振り子運動で筋力をつける
3.腸腰筋のストレッチ
どれも、弱い方だけやります。
自分で触ってゆるめるのはこんな具合に。
仰向けに寝てゆるめたい側の膝を立て、上前腸骨棘の内側に指を入れ、ジワジワとお腹の奥へ押し込んでいく。硬い筋張ったような筋肉に触れたら、軽く揺らしてゆるめる。
腸腰筋がわからない時には立てた膝を少しだけ上げようと力を入れてみてください(膝は上げない)。キュッと硬くなるのでわかります。
(※)立って正面から見て腰骨の一番出たところ、やせている人はうつ伏せするとここが床に当たって痛い
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